こはるびより

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学問はひとをダメにする

 

 

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半年くらい前からある政治家の行動にわたしは釘付けになっている。

 

ミハイル・サーカシュヴィリという人。

日本ではあまり知られていないかもしれない。

 

2004〜2013年のジョージア大統領

南オセチア紛争で多くの犠牲者が出たことについての責任を問われ支持率低下、辞任後の2013年末からウクライナで起こっていた大規模デモを支援する名目でウクライナへ入国、事実上亡命した。その後現ウクライナ大統領の協力を得てウクライナ国籍を取得し、オデッサ州知事を務めた。

 

 ここまででもわりと「?」が浮かぶのだけれどすごいのはここから。その後国籍取得を協力したポロシェンコ大統領との間で対立が起こり、ウクライナ国籍を剥奪されている。

 

 しかしウクライナ市民からも一定の支持を受けている彼は国境を突破してウクライナへ戻ってきた。

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2017年9月にサーカシビリがポーランド-ウクライナ国境を突破した様子

Saakashvili Supporters Force Entry Into Ukraine Radio Free Europe/Radio Liberty より

Saakashvili Supporters Force Entry Into Ukraine - YouTube

 

さらにサーカシビリが拘束され、その数時間後に支持者たちによって解放されるシーンもYouTubeで視聴することができる。

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Saakashvili Escapes Custody After Standoff With Police Radio Free Europe/Radio Liberty より

Saakashvili Escapes Custody After Standoff With Police - YouTube

 

わたしは彼が呼びかけたポロシェンコ大統領の辞任を求めるデモに遭遇したことがある。

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2017年12月 ニューマイダン

 

赤と黒の旗を掲げるウクライナ人たちからは異様な雰囲気を感じた。警察官に向かって暴言を吐く人たちは怖かったし、それに動じない警察官はもっと怖かった。

 

 きっとこんなエネルギーがいつも世界の政治を動かしているのだと思った。

 

 どうしてここまで熱狂的な支援者がいるのか。サーカシュヴィリだったからこの騒動が起こったのかもしれないし、情勢に不満を抱えるウクライナ人たちはそのはけ口を探していて、たまたまそれがサーカシュヴィリだったのかもしれない。

 

 わたしがウクライナで通っている大学で同じ国際法専攻で卒業し、数年前までは講演会にも来ていたそうで彼について知ることは難しくない。なんなら日本の政治家よりも情報が近くにある。

 

 どんな手法を使えばこの面白い現象を上手に分析できるのだろうとか、考え始めると他のことがなにも手につかなくなるくらいずっとそのことばかり考えてしまう。

 

 けれど忘れてはいけないのはまだ大半のウクライナ人はサーカシュヴィリのことをよく思っていないということだ。もちろん大統領の汚職も良くないのだけれど。

 

 たった一人の行動が長くかけて築き上げてきたジョージアウクライナの関係を悪くした、とジョージア人とウクライナ人の友達が言っていた。

 

 わかってはいるけれど、学問というフィルターをかけて自分の好奇心に向き合うとき、なんとなくそれが正当化される。

 

 べつに好奇心を持つことは悪いことじゃない。でもわたしはもう3年も前からウクライナ人との交流を始めて、もう8ヶ月もウクライナ人の中で生活をしてきたのに、好奇心にかき消されて肝心なところが感じられない自分が悲しい。

 

 それとこれとは違う話だけど、ときどき学問はひとをダメにすると思った。